会社名義で出したサービスの裏話.
機能としては,ソフト屋さんから別段の注目を浴びるほどのものでもなく. プレスリリース等派手なことはしませんでしたが. 合同会社もなみ屋の名義で,Webアプリをリリースしました.
ほんと,機能としては大したものではないです.
- 緯度経度情報に対して,短縮URLを発行する.発行した人しか編集はできない.
- 短縮URLの呼び元のHTTPヘッダを読んで,適切なURL (Android だったら Android Mapsとか,フィーチャーフォンなら Google Static Maps とか)に飛ばす.
- どの短縮URLが何回呼ばれたか,統計を取る.
やる気になれば,誰でもやれるネタです. しかし,調べてみたところ,意外なことに,全く同一の機能を提供するサービスは無いようです.
別に遊んでいるわけではなくて
たぶん,もなみ屋を知っている人にとって,リリース告知を受け取った時の第一声は,「機器組み込み屋がなに Rails で遊んでんの?」かなと思います.
でもこれ,実は,(もなみ屋にしては珍しく!),技術先行ではなくて,需要先行のサービスだったりします. ファーストユーザが既に決まっています.どうしたんだ,地に足付けているなんて,弊社らしくないぞ.
やっぱり紙は最強だから.
もなみ屋の活動拠点は,浅草が近くてスカイツリーも近く,外国人向けのゲストハウスも多いという,IT活用型観光にとっては最高のテスト環境だったりするわけです.
そんななかで,徐々に判ってきたことなのですが. スマホ街歩きって,技術者と一部のオタクだけが盛り上がりはするけれども,実用的ではないのですよ. (別に特定地区の頑張りを dis る意図は無いです)
紙,印刷物っていうのは,やはり最強です. シャチハタスタンプのスタンプラリー,最強です. A3折りたたみのグルメマップ,最強です.
次点で,パッシブNFCタグ辺りかな….電池交換不要なパッシブタグは,紙に準じます. 使える端末が少ないじゃん,というデメリットもありますが.
BLE…うーん.まあ,保守体制が盤石なら.
専用スマホアプリ? ダメでしょ.全然ダメ. 地図の AR マッピングとか,カメラと液晶をブン回して,どんだけ電池持つと思ってるのよ,って話ですよね.(…言っちゃった)
しかし,道案内(ナビアプリ)は,重要です. 特に土地勘のない人を相手にする観光分野では. この点で,スマホ・タブレット・ガラケーは大事.
そんなわけで,「観光客の満足度を高めたまま帰途について頂くには,offine to online の連続性を持たせつつ,どれだけ offilne の情報で済ませるかというのが重要である.」 てなことが見えてきたわけです.バッテリーを使わないことの正義,みたいなものを.
具体的に言うなら,印刷物や掲示物として存在するQRコードやパッシブNFCタグから,地図アプリへのスムーズな連携,とかですね.
でも,統計情報が取れないと
じゃあ QRコードに Google Maps へのリンクを込めときゃいいじゃん,という話なのですが. それには 2つほど課題があります.
一つは,デバイスの多様性. ガラケーとAndroidとiOSとで,ユーザにとって自然と思えるリダイレクト先が違うわけです. Android と iOS については,吸収するバッドノウハウがありますけれど,ガラケーはつらい. しかも地方から上京する方の中には,ガラケー所持の方も少なくないわけです.
あともう一つは,統計情報取得の問題. 観光って,概ね何かしら自治体からの公金が入ります. そうすると,成果の測定が求められます. しかし,QR コードに Google Maps へのリンクを含めるだけだと,どこにもログが残らないわけです.
短縮URLサービスの多くは,統計機能を持っています. しかし,観光担当の方はITに詳しいとは限らないので,いろいろとつらい. できれば専用サービスで,地名,緯度経度情報くらいで管理したい,と. それなら,パート職員の方でも片手間でできるわけです.
てなかんじで
もなみ屋というのは,RTOS やら開発ツールやらのサポートという,ハードボイルドな商品も 取り扱ってはいるのですが. 結局のところ,人々の生活を愉しくするためのお手伝いを,ソフトウェアを通じて提供するというのがミッションなのであります.
スマホがパッテリー食いで,バッテリーのエネルギー密度が今のままなら,スマホを使わないシステムを提供する.これはミッションに矛盾しないので,始めたわけなのであります.
この話に限らず,地元で観光資料を作ろうとしているのだけれど…. という方のご相談にも乗れますので,ご縁がありましたらお声掛け下さい.