とある自殺報道について

とある事件により,自殺した研究者について.そしてその行為を否定する,特定マスコミ関係者について.

人を殺しても精神耗弱なら酌量されるわけです.少なくとも法的には.

ましてや,正常な精神状態なら一番愛おしい(ことに世間ではなっている)己を殺すっていうのは,よっぽどのことだろうと思うわけです. 高瀬舟どころの話ではないですよ.

…自殺には,おそらく,さまざまな動機があるでしょう.一律に云々は言えないでしょう. その動機の軽さに憤慨するような例もあるでしょう.

ですが.

世間一般の常識として,肝臓大動脈瘤破裂のように,己の不摂生との関連はあれども健康な意志とは無関係な理由で急逝した人を,「護るべき人,履行すべき責任,それらがあるなかで捨てて死ぬなんて無責任」などとは言わないわけで.(…死を悼むレトリックとしてはしばしば言いますけれどね…)

一方で,脳の病に侵された人が急逝したときに「とっとと逃げ出した」と言えるのだとしたら,ナニカがおかしいと,私は思うわけです.

まあ,「死んじゃダメだ」くらいまでの気持ちまでは,同感なのですが. 明らかに有能な科学者が,どうやら手続きが杜撰だったらしいとはいえ,ここまで追い詰められる理由は,あったのだろうかと.

こういうエントリを書く…,マスコミお得意の,炎上マーケティングに踊らせれちゃいました…かね.