ファンディングのためのファンディング,始めます.(その1)

社会起業を行おう,という結論に達しました.

いや,いまさら,意識高い大学生のようなことを思い立ったわけではありません. また,まだ40代前半ですから,社会貢献の余生を模索するには早すぎます. 私は私のビジネスも続けます.

ただ,私が取り掛かりたいビジネスの 副産物 に,社会起業的価値があるかもしれないと,ふと思いついたのです.

当初,私が考えたこと

私が何を考えたのかは,既に tweet し,「クラウドファンディングサイトの未来」というタイトルで togetter にまとめました

一連の Tweet に対して,いくつかの反応も頂きました. それぞれのご意見(共感も反論も総論賛成各論反対も)に傾聴した上で,小規模クラウドファンディングサイトの登場は必然だろうと思うようになりました.

当初,私が必要性を感じているのは,個人レベルの電子工作のコミュニティへの,クラウドファンディングでした. このコミュニティは,オンライン/オフライン問わず,ソーシャルネットが,ある程度できています. よって,「〇〇を作ります」と言っている人の技術レベルも,プロジェクトのリスクも,投資する側は,ある程度分かります. 大手サイトでは緻密に行わなければ担保できないリスク管理のコストは,ある程度低減できます. 低コストは,手数料を下げたり,より良いサービスの提供に振り分けたりできる,ということに繋がります.

このサービスは,大化けはしないでしょうけれども,赤字にはならない程度の需給はありそうに,私は思います. なので,私は(もしくは私の会社は),上記のクラウドファンディングサイトの構築に向けて,一定量の開発リソースを割り振ることにしました.

クラウドファンディングサイトを構築する方法

実は,海外では,クラウドファンディングは,もっと気楽に立ち上げられます. そのための,オープンソースや決済基盤が存在しています.

有名どころを挙げるなら,Lockitron があります. 彼らは,自社製品のためのクラウドファンディングサイトを作って,オープンソースで公開しています.

Lockitron のサイトを応用して自社のためのクラウドファンディングサイトを作った例は,記事となり, makezine.jp で読むことができます

また,クラウドファンディングサイトのための,もっと大規模なオープンソース製品もあります.

日本で構築する際の障壁

ところが,日本では,大きな障壁があります.

それは,決済手段です.

クラウドファンディングは,当たり前ですが,クレジットカードへ課金をし(正確にはオーソリをかけ),目標額の達成如何で集金をしたり返却をしたりという機能が不可欠です.

このような決済サービスは,米国では数多くあります. しかし,先ほどご紹介した togetter に含まれる tweetでも示唆したのですが,日米の金融行政や租税関係により,日本から,米国のサービスを使うには,様々な制約があります.

具体的には,米国の金融機関に口座を持つ必要がある,租税に関する書類を米国に出す必要がある,送金に時間がかかることがある,などです.

つまり,日本では,海外(主に米国)では簡単に行えるクラウドファンディングサイトの構築が,容易ではありません.

もちろん,決済手段だけが問題というわけではありません.

集客のようなビジネス的な問題は当然として,特定商取引法を始めとする消費者保護行政や,言語(日本語と英語)の問題など,課題はいくつかあります. しかし,特定商取引法は適切に表示すればよいですし,サイトに表示される文字は技術的には解決可能な問題です.

やはり,決済手段は,大きな課題として立ちはだかります.

以上,私がクラウドファンディングについて発言をしだした経緯と,海外での状況,日本での障壁について簡単にまとめました.

ここまでの話でしたら,「アメリカは,いいなぁ.それに引き換えニッポンときたら」という愚痴です.

長くなりましたので,次回と2回に分けたいと思います.