誰のための義務教育?

中1になった長女が,学校の宿題で,百人一首の暗記で苦しめられている.

3年前に,こんなツイートで,850 近い RT を得たのだし,流行りに乗って,なんかアプリ作ればとか思う. …のだが,当人としては,理系能力の低さを自覚し,プログラミング方面に依存しない方向を目指しているらしい.

一緒に遊んでくれなくて寂しいが,プログラミングなんて,無理強いまでしてやるものではないし,仕方がない.

ちなみに,長女が,百人一首の丸暗記のために選んだ教材は,これ.

語呂で覚えさせるのではなく,句の背景が解説されていて,教養を身につけるには良い本だと思う.(でも,そんな正攻法で,冬休み中に覚えきれるのか?)

そんな長女を遠巻きに眺めていて,ふと面白いなと思ったのが,(長女の母である)妻や,(同,祖母である)義母の反応だった.

両者とも,理系というよりは文系で,歴女というほどではないが,世間並みくらいには歴史や古典は嫌いではない. 普段は,家事や隣近所の付き合いで,あんまりそういうものに触れることはないだけで.

そんな彼女たちが,長女の詠む上の句で,次々に下の句を思い出していく. 和気あいあいと長女と記憶合戦をしているのを見ると,女子学生だった頃に還ってもいるのかもしれないなという気もしたり.

義務教育っていうのは,主に,子供のために授けるものと思いがちなのだけれども,大人を教育するための手っ取り早い方法なのかもしれない.

聞くところによると,新興国では,大人よりも,子供,特に女子への教育に重点をおくという.それは,子供のほうが長生きするし吸収するから,というのが第一義だろうけれど. 子供が家に帰って,大人,特に母親を始めとする女系に教えるというような,教師育成の観点もあるのだろう.子が親に教える.次世代が育つのではなく,現世代に対しても効くだろう.

余談だけれど,少子化の問題点って,大人に教える(思い出させる)教師たる,子供の減少,って側面もあるような気もする. 学習の機会が少なくなると,大人はどんどん馬鹿になっていく.

よくわからないけれど,たぶん.